現在、多くの日本の中小企業がITを使用した経営戦略において、見えない崖に直面しています。

山道を歩むように、多くの企業が目指す山頂に立ちはだかる課題を克服していく必要があります。ここでいう「見えない崖」とは、経産省が警鐘をならしている「2025年の崖」のことを指しています。

「2025年の崖」とは、具体的に下記のことを指します。


1.老朽化したシステムが技術的負債※1となり、新しい技術を採用できない状況が生まれる。

2.システムの保守・運用に多くのリソース(人・モノ・金・資産)を費やすことになり、業務の効率性が低下する。

3.データ活用やビジネスの革新が遅れ、競争力を失う可能性がある。


今回は「2025年の崖」について、概要を踏まえながらどんな中小企業の崖(課題)があり、どう克服するべきか紹介致します。

[概要]経済産業省がDXレポートで指摘した「2025年の崖」について解説!!

2025年の崖とは、経済産業省がDXレポートで指摘した日本企業が直面する課題です。この崖には、システムの老朽化や保守・運用によるリソースの消費、データ活用の遅れといった複数の要因が絡んでいます。

現在、多くの企業においては、どんな価値を創出するかではなく、「AIを使って何かできないか」といった発想になりがちです。将来に対する危機感が共有されておらず、変革に対する関係者の理解が得られない。また、号令はかかるが、DXを実現するための経営としての仕組みの構築が伴っていない場合が散見されます。※2


その解決には、新たな指標を活用して現状を把握し、見える化することが不可欠です。

具体的にはどんな崖があるでしょうか? 深掘りしていきます!!



1. システムの老朽化により、新規システムを導入できない状況が生まれること!!

多くの企業が古いシステムを使用し続けているため、新しい技術やシステムを導入することが困難になっています。この課題を解決するためには、システムの近代化やクラウド移行など、新技術の導入を促進する必要があります。

2. 保守・運用に仕事のリソースが奪われ、業務効率が低下すること!!

古いシステムの保守・運用に多くの時間とリソースが費やされることで、本来の業務に集中できなくなります。この課題を克服するためには、自動化やアウトソーシングなど、業務効率化を図る施策が求められます。

3. データ活用やビジネスの革新が遅れ、競争力を失うこと!!

データを活用してビジネスプロセスを革新することが重要ですが、古いシステムではデータ活用が難しくなります。この課題を解決するためには、データ分析ツールの導入やデータマネジメントの改善が必要です。


[対応策] 「2025年の崖」のイメージを掴み、指標を使って見える化する

複数の要因が複雑に絡み合い、技術的負債として企業にのしかかっている状態に気づかずにいると、ある日崖から落ちてしまいます。

まずは、どんな崖があるか実例に触れ考察し、指標を用いて自社の崖を認識することが必要です。

・デジタルガバナンス・コードで実例に触れ、「2025年の崖」のイメージを脳内に作る

経産省が、中堅・中小企業等向け「デジタルガバナンス・コード実践の手引き」や「DXセレクション」を発表しており、他社がどんなDXをして、「2025年の崖」を克服しているか詳細を確認することができます。「2025年の崖」のイメージを実感することが重要です。

引用元: 経済産業省-中堅・中小企業等向け「デジタルガバナンス・コード」実践の手引き

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-chushoguidebook/contents.html

引用元: 経済産業省-DXセレクション(中堅・中小企業等のDX優良事例選定)

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-selection/dx-selection.html

引用元: 経済産業省-デジタルガバナンス・コード

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc.html




・指標を用いて、現状を見える化する


現状の評価から始めることが重要です。そして、新たな指標を活用してシステムの状態や業務効率、データ活用の状況を見える化し、問題点を明確に把握することが不可欠です。その問題点に基づいて適切な施策を講じることで、2025年の崖を乗り越える道筋が見えてきます。




引用元: 令和元年7月経済産業省- 参考資料4 デジタルトランスフォーメーションD X 推進指標(PDF)2ページの画像を切り抜いて作成



引用元: ※2経済産業省-DX推進指標(PDF)
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/dgs5/pdf/004_s04_00.pdf

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※1.技術的負債とは、短期的な観点でシステムを開発し、結果として、長期的に保守費や運用費が高騰している状態ことを指します。複数の要因が複雑に絡んでいることが多いです。